まだ雪は降っていませんが、朝晩の冷え込みが少しずつ厳しくなってきましたね。
いよいよ冬の訪れを感じる季節になってきました。みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
北海道の体育では、冬の時期になると「跳び箱」や「スキー」「マット運動」の授業が多くなります。この季節は、保護者の方から「運動が苦手みたいで…」「どう練習したらいいですか?」といったご相談をいただくことが増えます。
〇運動が苦手になる原因のひとつ モロー反射とは?
跳び箱やスキー、縄跳びなどの動きが苦手になる背景には、モロー反射の残存が関係している場合があります。「モロー反射」とは、生まれたばかりの赤ちゃんに見られる原始反射のひとつで、本来は成長とともに自然に消えていくものです。しかし、何らかの理由で残っていると、姿勢や動きに影響が出ることがあります。
〇こんな姿勢が見られたら要チェック!
モロー反射が残っている場合、次のような姿勢が見られることがあります。
a. かかととかかとをつけてつま先を開くと、上半身が開いてしまう
b. つま先とつま先をつけると、上半身が内側に閉じてしまう
前に小さく歩かせてみると、この傾向がよりはっきり現れることもあります。

コパンの杜での取り組み
コパンの杜では、お子さまの運動を評価する際に、原始反射の残存についても確認を行っています。
リトミックや、直接的な運動練習を通して、身体の使い方のサポートをしています。
最近の研究では、運動の練習には実際の課題や模擬的な環境を設定して行うトレーニングが有効であるといわれています。そのため、遊びの中で自然に身体を動かせる工夫を大切にしています。
おうちでもできる!かんたん運動あそび
「跳び箱のような練習を家では難しい…」そんなときは、お布団を丸めて重ねたものを使うのもおすすめです!
- お布団をまたぐ
- 飛び越える
- バランスをとって渡る といった動きを取り入れるだけでも、楽しく運動の練習になりますよ。

困ったときはご相談ください!
作業療法士は、運動練習の工夫や遊びのヒントをたくさん知っています。
「体の使い方がぎこちない」「縄跳びが苦手」など、気になることがありましたら、ぜひお気軽にご相談くださいね。
お子さま一人ひとりの“できた!”を大切に、これからもコパンの杜では楽しく体を動かす活動を続けていきます。
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こんにちは、札樽病院薬剤部です。
今回は、漢方薬の飲み方の工夫と服用のタイミングについてお話します。漢方薬は多くの場合、顆粒剤です。独特の風味があり、顆粒も大きく、量も多いため、飲みにくいと感じられている方もいるのではと思います。漢方薬の独特の風味はそれを含めて漢方薬の一部です。その風味を感じることによって何らかの身体的な変化を誘発させる目的もあり漢方薬の効果を支える一つとも考えられています。
とは言え、やはり飲みにくい!と感じた時、少しでも飲みやすくするために服用補助食品を活用する方法があります。
服用補助食品の種類
オブラートの中央に漢方薬をのせて包み込みます、最近では袋状のオブラートも販売されています。そのオブラートを水に浸すとゼリー状に変化しますので浸した状態のまま飲み干すか、スプーンなどですくって服用します。漢方薬は量が多いので複数枚にわけてもよいです。
漢方薬用の服薬補助ゼリーがあります。ゼリーは皿やスプーンに取り出して、漢方薬をまぜます。嚙まないで飲み込むことがポイントです。
どうしても漢方薬の独特の風味が苦手という場合に、味の強い食品に混ぜる方法です。漢方薬の薬効を低下させてしまう可能性もあるため、この方法しか飲めません、、、といった場合に使ってください。
服用のタイミング
服用のタイミングについて、漢方薬は「食前・食間」に服用するよう説明されることが多いと思います。「食前」はわかるかと思いますが「食間」は食後2時間以上空けて、食事の1時間以上前に服薬するといったものです。
より効果を発揮させるためと副作用を防止するためなので、決められた服用方法通りに使用してくださいね。
からだにやさしい手作りおやつ にんじん蒸しパン
材料 8号おかずカップ(深さのあるもの)6個分
- たまご 1個
- ヨーグルト 80g
- オレンジマーマレード 30g
- にんじんすりおろし 70g(約1/2本)
- ホットケーキミックス 150g
- サラダ油 大さじ1/2
下準備
- にんじんはすりおろしておく
- 蒸し器に水を入れ沸騰させておく
作り方
- ボウルに卵を割り入れ、溶きほぐす
- サラダ油、ヨーグルト、マーマレードを加え、よく混ぜる
- すりおろしたにんじんを加え、混ぜる
- ホットケーキミックスを入れ、切るように混ぜる(練らないように)
- 蒸し器に入れ、中火で約15分加熱する(電子レンジで加熱する場合→600Wで3分~4分様子を見ながら)
- つまようじを刺して生地がついてこなければ完成!
ワンポイント♪
〇キャンディーチーズを中に入れると、チーズがとろけておいしいです。
〇オレンジマーマレードを入れることで、にんじんの臭みが気にならなくなります。お子様のおやつにもおすすめです。
〇ヨーグルトを入れることでふわふわの食感になります。
〇ふわふわの蒸しパンを作るコツは、粉を入れてから混ぜすぎないことです。ゴムベラで切るように混ぜましょう。
にんじんのきれいなオレンジ色は、β-カロテンという色素が含まれているためです。β-カロテンは、体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持をたすける働きや、抗酸化作用があります。また、蒸しパンに油を入れることでふわっとした仕上がりになるだけでなく、脂溶性(油に溶ける)であるβ-カロテンの吸収率も上がります。
ぜひお試しください!

当院の作業療法士 荒井英俊が、7月30日にMTDLP実践研修(オンライン)のファシリテータを務めてきました。日本作業療法士協会は「人は作業を通して健康や幸福になる」との基本理念の実行手段の一つとして生活行為向上マネジメント(MTDLP)というツールを開発しています。
今回は、それを臨床に用いた道内各地の先生からの事例検討会でした。他院での取り組みや、諸先生の考えを知る機会にもなり、学習を深めることができました。
また、8月20日、27日にSMOT主催の研修の講師として、日本作業療法士協会が推し進めている「患者様の大切な生活を取り戻すための合意目標の立案や他職種連携等に活用できる生活行為向上マネジメント(MTDLP)」について講演をしてまいりました。考え方や実践を振り返る機会にもなり、さらに、参加者・主催者の方からのご意見・ご感想をいただくことができ、明日からの臨床に臨む私にとっても力を得ることができました。この経験を当院にも還元し、「その人らしさを尊重する」という作業療法の発展に寄与できればと考えています。
8月12日~13日、当院ではコロナ禍後初の、全入院患者様を対象とした夏祭りレクリエーションを開催いたしました。入院患者様とご家族の思い出の場になることや患者様同士、スタッフとの交流を楽しむことなどを目的に開催しました。
嚥下障害がある方も飲食できるように工夫し、綿あめやトロミ付きかき氷などを提供しました。皆さんのほっぺたが落ちそうな表情はとても印象的でした。
また、ヨーヨー釣りや射的、おもちゃの金魚すくいなどのアクティビティも用意しました。患者様からは、懐かしくて楽しかった、色々食べられて美味しかったなどの声をいただき、大盛況で終えることができました。
2026年も全職員で協力し、もっと楽しい「夏祭り」を開催したいと思います!


7月26日(土)、銭函連合町内会と当院の参加者28名の合同チームで、おたる潮まつりの練り込みに参加してきました!当日はそれほど雨も降らず、暑くならない環境でしたので、熱中症の心配なく、楽しく元気に沿道の皆さんの声援を受けながら踊りきりました。
中でも、一緒に参加したスタッフの子どもたちが、大きな声で「わっしょい!わっしょい!」と掛け声をかけ、大人たちの先頭に立って引っ張ってくれたのが特に力になりました。
初めて参加するスタッフも、院内でYoutubeのお手本動画を見ながら練習に励みましたので、その成果を発揮でき、楽しいひと時となりました!


2025年7月17日と31日に介護予防教室を開催いたしました。
まず、17日は銭函の老人クラブ・元気会の皆さんを対象に、言語聴覚士が摂食嚥下障害の予防について、飲み込みのメカニズムやノドの筋肉を弱らせないための体操などを交えてご紹介いたしました。また、当院で使用しているトロミ材を加えたお茶等の試飲会も行い、暑い中でしたが多くの皆さんに参加していただきました。
そして、31日は理学療法士が腰痛予防について講義と体操を実施いたしました。今回は、理学療法士4名と作業療法士1名が同行したので、腰痛予防に役立つ運動では個別に指導することができ、参加者の皆さんから大好評でした。参加者の皆さんからは、週に何回体操すればいいの?など意欲的な声や、普段実施している運動と違って良かった、体が少し楽になったなどの声をいただき、大変励みになりました。
引き続き、健康教室等を通して地域の皆様の健康に貢献できればと思っています。

2025年7月19~20日、小樽市民センターで開催された第10回 日本臨床作業療法学会に当院の作業療法士が参加いたしました。
大会名に「臨床」とつくことからも分かるように、「実際の現場」でどのように患者様を中心としながら、患者様が大切にし、価値を持っている生き方を支援していくのか学習を深める機会となりました。
また、『患者と同居家族への「社会交流の質を高める関わり」が「施設退院から自宅退院」へと影響した事例』の演題名で発表してまいりました。全国の新進気鋭の諸先生からご意見や考えや取り組みに賛同をいただくことができました。更なる、作業療法の発展に活かしていきたいと考えています。

看護部長の須貝です。今回は当院の病棟についてのお話です。当院には4つの病棟があります。第1病棟は障がい者病棟、第2南病棟は医療療養病棟、第2北病棟は回復期リハビリテーション病棟、第3病棟は急性期一般病棟・地域包括ケア病棟です。
先日、第3病棟と第2北病棟でそれぞれ運動会が行われました。参加された患者さんは毎日リハビリテーションを受けられている方です。いつもはリハビリ担当者や同室の患者さん以外と交流の機会をもつことは難しいですが、今回は玉入れや風船バレーなどのチーム戦です。日頃から患者さんの情報共有を行い協働している病棟担当の看護師とリハビリスタッフが企画・準備し、当日は看護師、介護士、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカー等もサポート役として参加しました。全員サージカルマスク着用という制限の中でも、みなさんの笑顔や歓声、拍手がたくさんあふれ、「楽しかったよ」とありがたいお言葉を頂戴し、私にとっても貴重なよい時間を過ごさせていただきました。
さらに、8月には全病棟対象とした夏祭りを予定しております!暑い中、毎日リハビリに励まれている患者さんが少しでも楽しく笑顔で過ごせる時間となりますよう、看護師、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカー等が企画中ですので、どうぞお楽しみに。

2025年6月27日~28日、山形県で第26回 日本言語聴覚学会が開催され、当院の言語聴覚士が参加・発表してまいりました。
本大会は「言語聴覚士には人と社会を変える力がある~なせばなる なさねばならぬ何事も 共生の時代へのSTEP」というテーマで、やまぎん県民ホールと山形テルサの隣りあった会場で開催されました。しかし、前日、山形空港に熊が出没した関係で飛行機が欠航となり、中には山形まで来られなかった方もいたようです。
さて、今回は、「医療・生活行為に拒否が強い気管切開患者に対して、STが主体となりチームアプローチを行うことでQOLが向上した症例」というテーマで、ポスター発表をいたしました。
これは、脳幹出血を発症し気管切開を行い音声障害・構音障害を呈したものの、STが主体となりチームで関わり方を統一したことにより、スタッフ・ご家族に明確な自己表現を確立させることができた症例です。これにより、情緒的に安定し医療者のケアに対する拒否が減少し、積極的なリハビリテーションの実施や元々の趣味を楽しむことが可能になり、生活の質の改善につながったと考えています。
また、シンポジウムや特別公演では地域での多職種連携をテーマにした内容が多かったので、地域での言語聴覚療法の展開がこれからも重要視されていると思います。さらに、AIを使った自主トレ課題の作成やご本人の意思を確認するためのコミュニケーションマット等の発表があり、時代のニーズに沿った言語聴覚療法の展開が必要だと感じました。

