2025年6月21日~22日、第55回北海道作業療法学会学術大会が開催され、当院の作業療法士が参加してきました。
作業療法士の荒井が、シンポジウム「MTDLP導入の利点とその課題について」においてシンポジストを、Special Interest Group(SIG)として、北海道作業遂行研究会企画「“あなたの知らない作業療法の力を知ろう!”」、北海道作業療法士会教育部MTDLP推進企画として「MTDLPを臨床で日常使いしてみよう!」の講演者を、また、口述発表セクション「MTDLP」の座長を務めてきました。
作業療法で大切にしている「ひとは作業をすることで元気になれる」ことをモットーに、「その人が大切にせいている生活行為を取り戻す時に作業療法士の武器になる生活行為向上マネジメント(MTDLP)について」、また「井の中の蛙にならないように、幅広く作業療法を知る重要性についてグループワークを通して学ぶ重要性に関して」、参加された会員と学びを深めました。
今後とも、学術活動及び作業療法の啓蒙活動にも積極的に関わり、札樽病院のリハビリテーションに還元していきたいと考えています。

2025年6月12日~6月14日、国立京都国際会館にて第62回日本リハビリテーション医学会学術集会が開催され、当院の理学療法士が初参加いたしました。
医師が中心の学術集会で、トピックス、リハビリ関連分野の研究成果、知識、技術が共有されておりました。医師と我々コメディカル間の双方からの密な連携が必要であり、また、そのことがリハビリ医療の質を高める、と改めて感じさせられました。次回があれば、医師と一緒に参加し、リハビリ医療について共有できたらと思います。



6月17日(火)、星野町会の皆さんを対象に、星野会館で介護予防教室を開催いたしました。今回は、「おいしく食べ続けよう!摂食嚥下障害予防」というテーマで、言語聴覚士がお話ししました。
食べることや飲み込むことの障害を「摂食嚥下障害」と言いますが、脳卒中後の後遺症や、加齢による筋力低下等で摂食嚥下障害を引き起こす場合があります。それで、飲み込みのメカニズムや、飲み込み力のチェック、簡単にできる嚥下体操などを実践を交えてご紹介いたしました。
さらに、今回は、試食会もご用意しました。飲み込みの機能が低下し、水分でむせてしまう方に使用するトロミの付いたお茶を飲んでいただきました。また、舌でつぶせる柔らかさのおかずや食パンを提供していただき、参加者の皆さんに試食していただきました!参加者の皆さんからは、柔らかくて食べやすい、味も美味しいと高評価でした。
最後に、質問コーナーでは、餅はノドに詰まりやすいがどのように食べたらいいか、もし詰まったらどのように排出するか、食べる時の姿勢はどうかなどたくさんの質問を頂きました。
身体の筋力低下は実感しても、ノドの筋力低下は気付きにくいかもしれません。もし、飲み込みのことで不安、悩みがある方は当院・地域連携部までご相談ください!



地域連携部部長・医療ソーシャルワーカーの髙﨑です。当院は昭和52年に開院以来、リハビリテーションの必要性に着目し、成人の脳卒中・整形疾患・神経難病のリハビリテーションから、小児の発達外来に力を入れてまいりました。
しかし、障害を持ちながらも住み慣れた地域で長く健やかに過ごしていくためには、病気を発症した直後のリハビリテーションだけでなく、在宅生活を送る中で低下してきた機能の改善を図るためのリハビリテーションも非常に重要であるということを感じていました。そのため、昨年から「短期集中リハビリテーション入院」にも力を入れています。
「短期集中リハビリテーション入院」とは、既に在宅生活をされている方を対象として、おおむね2~4週間入院し、集中的にリハビリテーションを行う取り組みです。
日常の生活で不自由を感じるようになった、歩きにくさや飲み込みにくさ等の改善を目指したリハビリテーションや、トイレ・着替え・入浴・家事などの日常生活を送るために不可欠な動作の訓練を行います。
また、必要な場合は、リハビリスタッフがご自宅を訪問し、退院後の生活がより安全に、不自由なく過ごせるように住宅改修や福祉用具の使用に関するアドバイスをさせていただいております。
この「短期リハビリテーション入院」が、在宅療養を送る患者さんにとって、慣れ親しんだ場所で、その人らしく、自分たちの持つ力を生かしながら快適に暮らしていくための一助となればと幸いです。
入院のご相談は、札樽病院の地域連携部で承っています。どうぞお気軽にお問い合わせください。


5月から6月にかけて当院玄関横の花壇を、銭函の老人クラブ「元気会」のボランティアのみなさんが整備してくださっています。ボランティアの皆様、本当にありがとうございます!
ビオラやムスカリ、カランコエ、ヒマワリなどが植えられて、綺麗に咲いていますので、これから成長するのを楽しみにしつつ、ご来院の際は、ぜひご鑑賞ください!


こんにちは。ケア・サービス部 健康医療コーディネーターの鎌田です。みなさんは、年に1度、健康診断をうけておられますか?
人生100時代を健康に過ごすためには、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。健診結果で異常がみられた項目によって、効果的な生活習慣改善の方法が違います。リモートワークをしている人、交代勤務をしている人など働き方やライフスタイルが多様な時代です。また性別や年齢でも健康づくりへの取り組み方は変わってきます。その為には、年に一度は必ず健診をうけるようにしましょう。
健診結果には、健康を守る重要なヒントがつまっています。自分の現在地を知ることが生活習慣予防の第一歩です。
健診をして良いことって何?
健診は、早期発見・早期予防を目的としています。特に行政が推奨している特定健診は、心臓病や脳卒中などの生活習慣病の発症を予防することを目的とし、その原因となる動脈硬化のリスクを判定するメタボリックシンドロームに着目した検査をおこなっています。主に関係する検査の検査値が基準範囲から外れているほど動脈硬化が進んでおり、生活習慣病になりやすい状態となります。BMI(肥満指数)・血圧・脂質・血糖・腎機能は最低限知っておくことが大切です。その他、癌のリスクを含めた生活習慣予防健診やさらに詳しい人間ドックなど自分にあった健診を実施することをお勧めいたします。
デメリットはある?
健診のデメリットもあります。急性心筋梗塞や吐血などの急性病変を予見することが出来ない事です。健診結果に異常が無くても、急に発症することがあるのです。「健診で問題なかったのに・・・検診しても無駄なのではないか」と思ってしまうかもしれません。しかし、自身の健康状態を知り生活習慣の改善や早期治療をすることは、治療期間の短縮などメリットが多いのではないでしょうか?
当院では
生活習慣予防健診、特定健診、人間ドック、事業主健診等を行っています。各種がん検診も行っています。ご希望の方はケア・サービス部までお問い合わせください。
直通電話 (0134)62-4676


こんにちは!そろそろ桜が満開になりそうな季節になってきましたね。これから暖かくなってきて外出機会も増えてくるのではないでしょうか♪
今回は、当院の作業療法士から情報をお届けいたします。内容としては、最近の病棟やリハビリでの様子をご紹介いたします。
さて、リハビリテーションのイメージといえば、皆さんどんなことを思い浮かべるでしょうか?「平行棒を使用して歩くこと」や「体を動かす練習」など、運動をイメージされる方が多いのではないでしょうか。
作業療法では、患者さまの大切にされている趣味や活動に焦点を当ててリハビリテーションを行うことがあります。例えば、フラダンスの講師をされていた方や書道の先生をされていた方が入院された際は、フラダンスや書道を取り入れたレクリエーションを開催しました。
講師や先生となる患者さまは、元々行っていた“先生”という役割を行うことができる機会となり、教えてもらう患者さまは、普段行わない活動に触れ、入院中の気分転換となることや他の患者さんとの交流の幅が広がることなど、いろいろな意味をもたらせてくれることもあります。
リハビリテーションは、入院中でも患者さんに楽しんでもらえるような活動の提案や、レクリエーションを行いながら機能の回復を含めた心の健康に繋げられるように日々患者さんと関わっています。
今後も、様々な季節に合わせた内容のレクリエーションを実施していきたいと思います!
2025年3月19日に開催された小樽市の地域版介護予防教室で、当院の作業療法士が講師をしてまいりました。
今回は、「介護予防~延ばそう健康寿命、MICの予防」というテーマで講義と体操を行いました。認知症の予備軍と言われている、軽度認知障害(MIC)とはどのようなものなのか、運動習慣と認知症との関連についてご紹介し、自宅でできるストレッチや筋力トレーニングの方法を参加された皆さんと一緒に実践しました。
参加された方からは、こんな時どうすればいいの?という質問も多くいただき、勉強になったとの声が聞かれました。引き続き、地域の皆様の健康促進をサポートしてまいります!
当院では、療法士の講師派遣を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。


こんにちは、人工透析部・臨床工学技士の柴田です。私たち人工透析部は長生きできるように安全で安心していただける優しい透析治療を提供できるように努め、穿刺ミスを減らし、穿刺時の痛みを軽減することができるような取り組みをしています。
2024年度は「穿刺ミスゼロを目指して!」を目標に、超音波診断装置を用いた「エコーガイド下穿刺(以下、エコー下穿刺)」を始めましたのでご紹介したいと思います。
エコー下穿刺導入の取り組み
*エコー下穿刺に使用する超音波診断装置

GE Health Care社のVscan Air CLを導入しました。(図1)
ワイヤレスのエコーとiPadを連携させ、血管をスキャンしながら的確に穿刺できるようにしています。
*スタッフの穿刺技術向上
バスキュラーアクセスチーム(以下、VAチーム)を中心にシャントに関する知識や、穿刺の仕組みについて、エコー下穿刺を行うために必要となる基礎知識を学ぶ勉強会を行っています。エコーの機器の取り扱いやエコー下穿刺の手技については、「血管モデル」と呼ばれる様々な患者さまの血管を想定して作られた模型を用いて練習を行います。(図2)模型を用いた練習を何度も繰り返し行い、手技が定着したとVAチームが判断した後、VAチームが立ちあいのもと、実際に患者さまにエコー下穿刺を行います。エコー下穿刺を実施した後は、手技の上達に向けた改善点についてフィードバックを行っています。

*エコー下穿刺を開始して
2024年度の穿刺ミスは現時点(2025.2月)で2023年度の1.4%から0.85%まで減少しています。エコー下穿刺を導入し、穿刺ミスはどんどん減少しております。穿刺ミスを減少させることは、患者さまの穿刺による苦痛を軽減させるだけではなく、シャントを長持ちさせることにも繋がるので、「穿刺ミスゼロ」を目標に今後は全スタッフがエコー下穿刺をできるような体制作りに取り組んでいきたいと思います。
2025年2月21日~2月22日、「回復期リハビリテーション病棟協会 第45回研究大会in 札幌」が札幌コンベンションセンターで開催されました。当院の作業療法士が参加し、2題の発表をしてまいりました。
演題
- 作業療法士・佐々木 秀「施設外訓練の拡充に向けた当院作業療法課の現状と課題」
- 作業療法士・荒井 英俊「当院における令和6年度診療報酬改定前後での運動器疾患患者のFIM利得の比較」
他の参加者の方からは、「入院中の居室での過ごし方、集団の活用の観点で病棟全体として取り組むことで効果を感じている」などのご意見をいただき、大変参考になりました。
本大会から学んだこと
今回の研究大会では、2040年問題に向けた新たな地域医療構想において、今後求められる回復期リハビリテーション病棟の役割について講演がありました。急性期病院との連携経過、回復期リハビリテーションの質向上(高度なチーム医療の提供)、退院後の生活支援が必要であることが講演で述べられていました。今後の回復期病棟の運営に必要な要点を学ぶことが出来ました。
また、「患者様の能力だけでなく、その方の暮らす地域を育ててこそ、その人らしい生活を地域で送ることができ、地域貢献活動の重要性」、「身体拘束や転倒について、過剰な反応をするのではなく『活動』してもらうことを前提に適切なリスクマネジメントをすることの重要性」なども学ぶことができました。
これから
当院のリハビリテーション部の取り組みでは、ロボットスーツHAL、iVESなどの最新機器を用いていますが、様々な治療法と使用することでより効果的に活用できることを学べました。リハビリテーション部全員でより質の高い治療法を選択実施できるように取り組み、よりよい回復リハビリテーション病棟を作っていきたいと感じました。今回学んだ内容に関しては、当院の回復期病棟に携わる全職種に伝達講習で還元していきたいと考えています。


