札樽病院ブログblog

2025.10.28 UP
冬の運動あそびと「モロー反射」について~コパンの杜から

まだ雪は降っていませんが、朝晩の冷え込みが少しずつ厳しくなってきましたね。
いよいよ冬の訪れを感じる季節になってきました。みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

北海道の体育では、冬の時期になると「跳び箱」や「スキー」「マット運動」の授業が多くなります。この季節は、保護者の方から「運動が苦手みたいで…」「どう練習したらいいですか?」といったご相談をいただくことが増えます。

〇運動が苦手になる原因のひとつ  モロー反射とは?

跳び箱やスキー、縄跳びなどの動きが苦手になる背景には、モロー反射の残存が関係している場合があります。「モロー反射」とは、生まれたばかりの赤ちゃんに見られる原始反射のひとつで、本来は成長とともに自然に消えていくものです。しかし、何らかの理由で残っていると、姿勢や動きに影響が出ることがあります。

〇こんな姿勢が見られたら要チェック!

モロー反射が残っている場合、次のような姿勢が見られることがあります。
a. かかととかかとをつけてつま先を開くと、上半身が開いてしまう
b. つま先とつま先をつけると、上半身が内側に閉じてしまう
前に小さく歩かせてみると、この傾向がよりはっきり現れることもあります。

コパンの杜での取り組み

コパンの杜では、お子さまの運動を評価する際に、原始反射の残存についても確認を行っています。

リトミックや、直接的な運動練習を通して、身体の使い方のサポートをしています。

最近の研究では、運動の練習には実際の課題や模擬的な環境を設定して行うトレーニングが有効であるといわれています。そのため、遊びの中で自然に身体を動かせる工夫を大切にしています。

おうちでもできる!かんたん運動あそび

「跳び箱のような練習を家では難しい…」そんなときは、お布団を丸めて重ねたものを使うのもおすすめです!

  •  お布団をまたぐ
  •  飛び越える
  • バランスをとって渡る といった動きを取り入れるだけでも、楽しく運動の練習になりますよ。

困ったときはご相談ください!
作業療法士は、運動練習の工夫や遊びのヒントをたくさん知っています。
「体の使い方がぎこちない」「縄跳びが苦手」など、気になることがありましたら、ぜひお気軽にご相談くださいね。
お子さま一人ひとりの“できた!”を大切に、これからもコパンの杜では楽しく体を動かす活動を続けていきます。

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