札樽病院ブログblog

2024.07.16 UP
病院薬剤師のお仕事をご紹介!~薬の安定供給のための在庫管理~

 皆さんは薬剤師の仕事に関してどのようなイメージをお持ちでしょうか。処方箋に基づいてお薬を準備し、患者様にお渡しするといったところでしょうか。お渡しするお薬に関して札樽病院では品目も様々ですが、皆様に滞りなくお薬をお渡しするために薬剤部ではお薬を取り揃えておく必要があります。今回は、病院薬剤師の仕事の一つであるお薬の「在庫管理」についてご紹介します!

在庫管理

 当院では1日に2回、医薬品の発注業務を行っています。皆さんのお手元に滞りなくお薬をお渡ししたいところですが、未だ新型コロナウイルス感染症流行の影響により一般的な風邪薬が品薄です。一時的に莫大に使用された咳止め・去痰剤・解熱鎮痛剤・抗生物質・漢方薬など注文しても入荷しにくい状態が続いています。こういったことで明日使うお薬が足りない!となれば、薬剤師から医師に処方変更の提案をさせていただくこともあります。

なぜ品薄なの?

 今まではお薬の安定供給が当たり前の時代でしたが、感染症流行の影響と、さらに後発品医薬品メーカーによる不祥事で2021年度以降業務停止などの行政処分が相次いだことを受け、様々な医薬品が入荷しにくい状態が続いていて、品目によっては一旦その状態に陥ると半年~1年は品薄状態が続きます。
 お薬の適正在庫や安定供給に関しては、日々の情報収集が欠かせません。製薬会社・医薬品卸業者から情報をいただくことが多いです。

病院の薬局として

 職員からの院内のお薬に関する問い合わせにも随時お答えしています。また、在庫医薬品に関しては使用期限チェック・保管方法の確認も行い、医薬品を安心安全に使用できるようにしています。
 当院薬剤部では患者様お一人お一人のお薬に関する質問にもお答えしています。入院患者様に関してはベッドサイドまで伺ってお話させていただくことも可能です。
 どうぞお気軽に当院薬剤部にご相談ください!

2024.06.18 UP
介護士も悩む頻尿のお話~我慢せず適切な対処をしましょう

こんにちは!一般病棟の介護士リーダーの古賀です。

介護士は入院患者様の身の回りの活動をサポートしていますが、中でも一番多くかかわるのが「排泄」です。さっきトイレにいったばかりなのに、また行きたいという声が多く、頻尿に悩んでいる方が多くいらっしゃることを実感します。
 一般的に排尿の回数が8回以上になると「頻尿」、60歳以上で夜間に1回以上尿意で起きる場合は「夜間頻尿」と言われています。夜間頻尿で悩む方は60代以上で7~8割になるようです。みなさんはいかがですか?
 夜間頻尿の原因は、加齢、泌尿器やその他の病気、生活習慣など様々です。夜間頻尿は加齢により悪化していきますので、専門科で適切な診断と治療を受けることをぜひお勧めします。

生活習慣や運動を見直すことで頻尿が改善することもありますので、一部ご紹介いたします。※医師の指示に従ってください。

1日の水分摂取量と尿量のバランスが大切

 当院でも、尿量と水分摂取量を測るために排尿記録をとる場合があります。暑い日や運動して発汗がある時はその分の水分補給が必要ですが、身体が必要とする以上に水分を摂ると尿となって排出されます。また、夕方以降にアルコールやコーヒー・緑茶などのカフェイン、炭酸を多く含む飲み物を多く飲むと、尿量が増えてトイレに行きたくなりやすいので、何をどれくらい飲んでいるか確認し、調整してみるようお勧めします。

適度な運動
  • 脚のむくみ解消・・・夕方以降にスクワットや散歩などを適度に行いましょう。下半身に水分がたまったままにしておくと、夜、横になって寝ているときに尿が作られて、トイレに行きたくなります。脚のむくみを解消させるなら、夜間の頻尿軽減につながります。
  • 膀胱運動・・・過活動膀胱による頻尿の場合に有効な訓練です。トイレに行くのを我慢する練習です。まずは1回だけ、5分くらい我慢し1週間ほど続けます。10分、15分と我慢する時間を少しずつ伸ばします。最終的に2~3時間我慢できればOKです。
  • 骨盤底筋体操・・・年齢とともに衰える骨盤底筋を鍛える運動です。椅子に座りながらでもできるので是非お試しください。

2024.05.21 UP
今から始めるSTOP熱中症!~室内・屋外での予防と応急処置

 2023年は記録的な猛暑でしたが、今年の夏も昨年並みになる可能性があるようです。エアコンを設置したご家庭も多いのではないでしょうか?皆さんはどのような対策を練っておられますか?
 熱中症予防の一つには、暑くなる今の時期に、事前に体を暑さに慣れさせることが大切です。汗ばむ程度の無理のない運動(ウォーキング、サイクリングなど)をできれば毎日行う、入浴時にはシャワーだけでなく湯船につかることなどが勧められています。

 本格的に暑くなる前から、身体づくりや熱中症の予防に努めていきましょう。今回は、暑さ対策と自分や周りの人が熱中症の症状がある時にどうしたらよいのかご紹介いたします。

熱中症予防
  • 衣服:吸汗・速乾素材や通気性のあるもの、屋外では明るい色のものを着用しましょう。屋外では帽子も着用しましょう。アイスベストや熱中症対策の作業着なども活用できます。
  • 環境:高齢者は、暑さを感じにくい場合があります。暑いと感じなくても気温が高いときは、屋内では扇風機やエアコン、窓を開けるなど換気をして、室温の上昇に注意しましょう。
  • 水分:脱水になると熱中症になりやすくなります。喉が渇く前、あるいは暑いところに出る前からこまめに水分を補給しましょう。
  • 運動:屋外で運動する場合、運動前に水分補給をしましょう。暑さ指数に応じ、こまめな休息や水分補給をとりましょう。熱中症警戒アラートが発表された場合は、運動を中止しましょう。子どもの場合、顔が赤く、ひどく汗をかいている場合には、深部体温が上昇している可能性があります。涼しい環境に移動し休息しましょう。
熱中症の判断と応急処置

疲労や睡眠不足のとき、肥満、慢性疾患がある方、いつもより体調が悪いときも注意が必要です。暑い環境下ではこまめに休息し水分補給をとりましょう。当院の一般内科でも、熱中症の治療を行っています。体調の異変を感じたらご相談ください。

2024.04.16 UP
「銭函地区 介護予防フェア」で講師をいたしました!

こんにちは!通所リハビリテーションを担当している理学療法士の木村です。

2024年3月15日(金)銭函市民センター体育館にて、小樽市東南部地域包括支援センター主催の「銭函地区 介護予防フェア」に講師として参加させていただきました。

今回は、「元気に暮らし続けるために自分の体を理解しよう」をテーマに、介護予防のためにご自宅でできることや運動時のポイントについてお話しさせていただきました。20数名が参加され、なんと全員が女性!!皆さん熱心に聞いていただきました。

他にも、地域の介護予防教室「なごみ会」、「すまいる」の介護予防サポーターの皆様によるリズム体操や東南部地域包括支援センター職員による体力測定などを楽しみながら体験されていました。

初めて地域の介護予防フェアに参加させていただきましたが、健康を維持したい、元気に暮らしたいと思っている高齢者の方がたくさんいらっしゃることを知れて、日ごろ通所リハビリテーションに関わらせていただいている身としても大変参考になりました。今後も、地域の皆さんの健康維持、介護予防のお手伝いができれば嬉しいです。貴重な機会を頂きありがとうございました!

運動時のポイント(個人の体力に合わせることが大切です)
  • 座りっぱなしの時間を減らしましょう。
  • 65歳以上の方の場合、1週間で中~高強度の有酸素性の運動を150~300分行うことがWHOで推奨されています。    
    中強度の例)歩行20分、庭の草むしり、早歩き、ラジオ体操、ゴルフ、卓球、自転車を15分こぐ など。    
    高強度の例)ジョギング10分、エアロビクス、山登り、水泳、テニス など。
  • 毎日適度な運動を、時々、ちょっぴり疲れる運動を無理のない範囲で行いましょう。
    自宅でできる運動の例)足踏み運動を1分間
  • 低栄養は筋力低下を引き起こすので、口腔機能や栄養量などについても気を配りましょう。

2024.03.22 UP
入院や通院などのお悩みは、当院・地域連携部 患者相談窓口まで!

はじめまして 地域連携部 社会福祉士の髙﨑です。
2024年2月15日から札樽病院の地域連携部 部長として配属になりました。どうぞよろしくお願いいたします。

地域連携部って?

 皆さま「地域連携部」とは何をするところかご存じでしょうか?簡単に申し上げますと「地域の医療機関や介護サービス事業所などとの連携窓口となる部門」です。近年では多くの医療機関にこの「地域連携の窓口」が配備されており、病院にかかる患者さんが他の病院にかかりたい、入院したい、福祉のサービスを利用したい時などに「つなぎ」の役割を果たしています。
 また、この地域連携の窓口に「患者相談窓口」が併設されているところも多く、札樽病院の地域連携部も同様の役割を担っています。

どんなことを相談できるの?

 病気になると通院のこと、入院のこと、この先の生活のことなど、分からないことや不安なことが次々と出てくることも少なくありません。そんな時に地域連携部にいる「社会福祉士」や「入退院支援看護師」がご相談に乗り、病気を持ちながらでも住み慣れた地域で安心して生活が送れるようにお手伝いをさせていただいています。

 「外来リハビリに通いたい」「入院でリハビリをしたい」という相談から、「介護サービスの利用方法を知りたい」ということや「老人ホームってどんなところ?」など、さまざまなご相談に対応しておりますので、気になることや聞いてみたいことなどがありましたら、お気軽に「札樽病院 地域連携部」にお問い合わせください。

お問い合わせ先

TEL:0134-62-5851(代表)札樽病院 地域連携部

地域連携部について、詳しくはこちらをクリックしてください。

2024.02.06 UP
人工透析室より~シャントを大切に!3Dプリンターでシャント血管模型の取り組み~

こんにちは。人工透析部・臨床工学技士の柴田です。

 2022年7月1日(金)に行われた第67回  日本透析医学会学術集会で「3Dプリンターで作成したシャント血管模型の活用~穿刺ミス減少への取り組み~」を発表させていただきました。その内容を少し紹介させていただきたいと思います。私たちは「優しい透析治療を実施する」ことを目標に掲げていますが、(詳しくはこちらをご覧ください)特に、シャントを大事にしており、シャントをダメにしないように様々な取り組みを行っております。その中の一つで穿刺ミスを減少させるという取り組みについてご紹介いたします。

穿刺ミスを防ぐ工夫

 穿刺ミスは様々な原因で引き起こされますが、その中で一番多いのは穿刺困難の患者様です。なぜなら穿刺困難な血管は、駆血をしても血管が浮き出ない・シャントの血管の形状や走行がわかりにくいからです。この問題を解決するために、当院の診療放射線技師、作業療法士にも協力をいただき、CTを利用して血管の形状・走行を可視化し、CTの画像と実際の血管を比較できるようにするため、3Dプリンターでシャント血管模型を作成しました。

 この模型を使用し、穿刺前に実際の血管とシャント血管模型を見比べ血管の形状・走行を確認してから穿刺を行い、実際の血管と見比べることで穿刺ミスの減少に有用であるかを検証しました。(写真は実際のシャントの血管・CTの血管画像・シャント血管模型)

シャント血管模型の成果

 穿刺困難な2名の患者様のシャント血管模型を作成し、穿刺成功率を比較しました。

  Aさん Bさん
シャント模型を見ずに穿刺 93.6% 93.2%
シャント模型を見て穿刺 98.4% 97.5%

シャント血管模型を見ずに穿刺した場合と見た後に穿刺した場合の成功率は、2名とも見た後に穿刺した方が上昇するという結果が得られました(※様々な条件、検定方法などは省略しましたが、結果としてχ²検定という検定方法を行い、p=0.049,0.023と有意差を得ています)。

 また、このシャント血管模型を用いることで、新たな穿刺部位の発見やシャント血管に対する損傷防止、穿刺の教育にも有用であることがわかりました。

 私たちは今後も穿刺時の痛みや穿刺ミスがゼロとなるように様々な取り組みを行っていきたいと思っています。

2024.01.15 UP
年末年始の特別入院食を提供いたしました!

こんにちは。栄養管理室です。
今年も年末年始の行事食を提供いたしました!コロナの感染対策で患者様が外泊するのが難しくなり、院長の提案で始まった年末年始の行事食ですが、年々パワーアップしています。

普段から人気のパン食やカレーをちょっとアレンジしたり、折りに入れたり、ピックを使った食材の彩りも考えて献立を作成しました。いつもどのように盛り付けをしたら美味しそうに、綺麗に見えるかを追求していますが、年末年始もきちんと華やかさが出るように工夫いたしました!

患者様からは、「正月らしい献立で自宅にいるより豪華だった」「彩りがすごい良かった」、食事形態に制限がある方も普段と違う感じがしたとの嬉しい声をいただきました。

引き続き、患者様の栄養管理と食事が楽しめるよう努めてまいります。

2023.11.02 UP
リハビリテーション療法部の取り組み

札樽病院 リハビリテーション療法部の取り組み

リハビリテーション療法部では、脳血管疾患のリハビリテーションに力を入れています。入院生活から、退院後の在宅生活までを一つの流れとして考え、充実したリハビリを提供できるように日々努力しています。

1. 安心の医療体制

専門医(リハビリ専門医、認定医、脳外科医)による健康状態管理やリハビリ進捗状況の確認し、丁寧な病状説明を実施しています。

2.充実したリハビリ提供体制

リハビリでは経験10年以上のセラピストが22名在籍し(全体の26%)、新入セラピストの指導に当たり、リハチームカンファレンス等を基に質の高いリハビリの提供が実施できる環境が整っています。

3.退院後のフォローアップ体制の充実

入院中だけでなく、退院後の生活が安心して送られるように、様々な方法でフォローアップができる体制を整えています。

  • 在宅リハ(訪問リハ、通所リハ)
  • フォローアップ外来(退院時と現状の心身状況を比較し、改善点等を指導)

4.多職種チームによる、充実したリハビリテーション医療を提供

医師、看護師、介護士、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなどによる定期的なカンファレンスの実施を行っています。入院から退院まで、多職種チームでサポートする体制を整えています。

2023.03.13 UP
札樽病院の訪問看護と介護相談センター(居宅介護支援事業所)のご紹介

札樽病院訪問看護ステーションひまわり

私たち訪問看護師は、介護や医療処置が必要な方、ご自宅での生活に不安を感じている方に看護師が定期的に訪問し、様々な援助を行います。

主な援助内容としては、

1.血圧、脈拍等の健康状態、病状の観察

2.薬の管理や効果、副作用の観察 

3.医師の指示のもと医療的処置の実施    

4.日常生活動作などの訓練    

5.認知症のケア              

6.入浴、排泄等の日常生活の支援

7.介護者への介護指導、精神的支援     

8.主治医、ケアマネなどへの連絡

9.緊急時の対応

など行っています。詳しくは、「札樽病院訪問看護ステーション」のページをご参照ください。https://www.sasson-hospital.jp/department/section04/visitingcare


札樽病院介護相談センターひまわり銭函

札樽病院には居宅介護支援事業所が併設しています。

居宅介護支援事業所には、現在3名のケアマネジャーが在籍しており、利用者様は約100名いらっしゃいます。

要介護認定を受けた利用者様が、安心して在宅生活が送れるように相談業務や、介護保険サービスをご利用いただくためのサービス調整を行っております。

その他にも、介護保険の代行申請のお手伝いも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

詳しくは、居宅介護支援事業所ひまわり銭函のページを参照してください。「https://www.sasson-hospital.jp/department/section04/care-himawari

 

2023.01.18 UP
管理栄養士から「年末年始の特別食事メニュー」をご紹介!

管理栄養士の今井です。

皆さん、どのような年末年始を過ごしたでしょうか。ご馳走のお買い物に行ったり、「特番」を見たり、雪遊びをしたり、ゆっくりと過ごしたり、と様々であったと思います。また普段と大きく異なったのはお食事ではないでしょうか。一年の締めくくりとスタートをよいものにするために、ご馳走や縁起のよい料理を召し上がりましたか?

 年末年始のお食事は「高糖質」「高脂質」「高塩分」のものが多い傾向です。この時期に体重が増えてしまった方もいらっしゃるでしょう。
 早めに普段のお食事に戻すこと・野菜をたっぷりにして油を控えること、これらを意識していきましょう。まだ冷凍庫にお餅が残っている方も多いと思います。お餅はつい食べすぎてしまいがちです。「女用茶碗のご飯1杯」が「市販の切り餅2個」と同等のエネルギーとなっています。「市販」のお餅の大きさを目安にすることがポイントです。参考にして食べてくださいね。

 さて、当院でも毎年さまざまな趣向を凝らした年末年始のお食事をお出ししています。入院中の中でも年末年始の雰囲気を存分に味わっていただきたい、という当院院長の意向でここ数年はさらに豪華なお食事を用意しています。

 もちろん栄養計算はしっかりと行い、今回も3日間・合計9食をお正月の定番料理や病院食では普段お出しすることがないお食事で揃えました。

飲み込みが悪く、離乳食のようなものしか食べられない方に作った食事もかわいく盛り付けました。

「ぜんぶおいしかったよ!」「ごちそう続きだったよ」「かにめしがよかった」「たたき胡瓜がおいしかった」等、たくさんの好評なご意見をいただきました。
 「こんなにごちそうがでる病院はここだけだ」「家の正月料理よりも病院の食事のほうがいい」というお話もあり、年末年始を楽しんでいただけたようです。

しっかりとお食事を召し上がっていただき、治療の手助けになりますように。

今年もたくさんの美味しく楽しい食事を用意していきたいと思います。

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