回復期リハビリテーション

私たち回復期リハビリテーション病棟では、在宅復帰に向けた質の高いリハビリ・看護・ケアを提供するよう日々努力をしています。

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重症患者とは、日常生活で必要とされる食事や衣服の着脱・移動やコミュニケーションなどどれくらいの介助が必要かを評価したもので、0~19点のうち点数が高いほど日常生活に介助が必要な状態である。そのうち10点以上の患者さんを重症患者としています。

重症の患者さんも積極的に受け入れながら、知的・身体機能の向上を目指しています。

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事例1

入院時
90歳代 女性 脳出血 重度右上下肢麻痺 感覚性失語 覚醒不良 経鼻栄養と点滴を併用
・指示理解困難な状況であり、体動活発転落や胃管自己抜去の危険あり
・両上肢抑制・ベッド4点高柵 移乗・移動はその他日常生活全般全介助で入院

重症度:日常生活機能評価16点 FIM 21点

目標・経過
1.抑制解除
・抑制していることがストレスとなり認知機能の低下を招くと考え抑制解除に取り組む
・胃管自己抜去などはなくなり、精神的にも安定
・転落の危険性もなくなり抑制解除となる

2.経口摂取
嚥下評価を行い一食からの経口摂取開始

3.覚醒向上
リハビリ時間以外は詰所に来て職員とのコミュニケーションやぬりえなどを行い、声掛けに笑顔や発語が多くみられるようになる

4.尿失禁をなくす
時間ごとのトイレ誘導・ナースコール指導を行う

現在
三食経口自力摂取 ナースコールで尿意訴え失禁なく経過 言い間違いはあるも他者とのミュニケーションはとれている。短下肢装具を使用し歩行訓練中 更衣時など右手の参加も増えてきている

日常生活機能評価3点 FIM 71点

事例2

入院時
50歳代 女性 経鼻栄養 気管切開 右不全麻痺
胃管抜去あり抑制使用 尿留置カテーテル挿入中 寝返り起き上がりなど、日常生活すべて全介助声掛けに対しうなずきあるも指示理解は曖昧の状態で入院

症度:日常生活機能評価 16点 FIM 31点 HDS-R 14点

目標・経過
1.抑制解除
胃管の自己抜去や自分で移動しようとして転倒することもありましたが、その都度環境設定や本人への指導を行い抑制は解除となりました

2.尿失禁をなくす
入院後すぐに尿留置カテーテルを抜去し、時間ごとの誘導やナースコールで尿意を訴えるよう指導

3.経口摂取
一食から開始し、食事前後の気切からのたん吸引を徹底し、誤嚥性肺炎の予防を行う

4.発話の促し
スピーチカニューレを使用し発話の促し。一時的に酸素を使用する状態にはなりましたが徐々に発話も増え、入院から4か月後には気管切開部を閉鎖し、他者とのコミュニケーションが取れるようになる

退院時
三食経口自力摂取 他者とのコミュニケーションは良好に取れ笑顔も多くみられるようになった。寝返りや起き上がりなど日々の訓練することで自分で行えるようになり、装具の着脱や更衣・整容も自立。車椅子で病棟内を一人で動くことができるようになった。

常生活機能評価 2点 FIM 92点 HDS-R 21点

事例3

入院時
70歳 男性 ヘルペス脳炎 左上下肢の軽度麻痺 経管栄養 気管切開 尿留置カテーテル 全身の痛みあり、体動困難

症度:日常生活機能評価 14点 FIM 34点 HDS-R 未実地1

目標・経過
1.経口摂取
前院で経口摂取するには時間がかかると胃ろう増設予定だったが、その前に評価とリハビリを希望し当院入院。入院翌日VE施行し、現時点では経口摂取困難と判断。ST介入で食べ物を使用しない嚥下訓練開始一週間後にトロミ水使用しての嚥下訓練開始するも、発熱見られ訓練中止。その後も再開と中止を繰り返す。胃管による嚥下の妨げも考えられ入院から2か月後胃ろう造設。その2週間後からゼリー摂取訓練開始。ゼリー摂取10日後から1食摂取。1食開始 1ヵ月後には3食経口摂取へ移行。入院中、VF3回、VE11回施行。

2.気管切開部閉鎖
食事開始2週間後スピーチカニューレの訓練開始。痰の吸引も減少しその後2週間後には24時間スピーチカニューレへ変更。さらに2週間後には自力排痰可能となりカニューレ抜去。筆談から言葉によるコミュニケーションが取れることにとって、ストレス緩和・モチベーションの向上へとつながった。

3.尿留置カテーテル抜去
カテーテル抜去し時間ごとのトイレ誘導と導尿を行うことで、徐々に排尿量も増え失禁もなくなりトイレでの排尿自立となる。

4.疼痛コントロール
鎮痛剤による疼痛コントロールを行うことで痛み軽減。リハビリに対しる意欲も向上し、ADLは重介助から自立レベルとなった。

退院時
三食経口摂取 他者と言葉によるコミュニケーションをとれるようになり、冗談を話したりと笑顔も多くみられるようになった。歩行は杖など使用しないで独歩見守りとなり、ADLはほぼ自立となり、自宅退院される。

常生活機能評価 0点 FIM 95点 HDS-R 未実地

事例4

入院時
40歳 男性 脳挫傷後遺症・失語症・症候性てんかん 
・ADLは概ね自立 失語あり 理解・表出ともに低下認める
・嚥下機能咽頭期に問題あり
・治療の必要性理解できず離院の危険性ありセンサーマット
・離院予防のためGPS使用

日常機能評価 5点  FIM 106点(認知機能18/35点) HDS-R 精査困難
コース立方体 IQ50 FAB 4/18点 レーブン色彩マトリックス 29/36点


目標・経過
1.入院当初
中等度の失語症があるためコミュニケーションをとることが難しくリハビリ中でも気になる事があるとそれに固執しリハビリを中断する・大声をだして興奮し暴言を吐くなど不穏がある。治療の必要性説明も耳を貸すことなくリハビリは不要と主張し指示が入らないなど離院の危険性ありGPSを装着していた。また、飲み込みの障害があり食事や活動の制限、コミュニケーションの困難さから入院生活への不満が強かった。
理解は短めの簡単な日常会話が理解できるレベルだったため病棟では治療・リハビリが円滑に進むように短く簡潔に話すよう心がけ病状や治療の必要性を説明し理解してもらえるようにアプローチしていった

2.入院1週目
リハビリでは言葉が出やすくなることと、長い文が理解できることを目標とし絵カードの名前を言う事や聞いた内容を覚えるといった課題を行った。また病棟生活でも計算などの課題に集中することやご家族への電話で失語症の改善と不安の軽減を図った。

3.入院2週目
家屋調査・外出訓練を実施し、自宅退院に対する不安やストレスの軽減を図った。また病前からの趣味であったパソコンをリハビリに取り入れ、文章作成能力の改善を図った。病棟では失語症に対する取り組みとして、病棟を離れる際は詰所でスタッフに声を掛けて頂くなどを提案し積極的に話す機会を設けた。

4.入院3週目
失語症の改善により言語でのコミュニケーションがスムーズになったことでストレスが軽減し不穏・拒否等がなくなった。また、飲み込みに関して問題がある認識が高くなり、言語以外のリハビリにも積極的になった。病棟ではGPSが不要となり院内の行動に制限がなくなり自主トレーニングやリハビリの移動も一人でできるようになった。同時にリハビリなど時間管理・内服薬の自己管理が習慣化し自立となった。
また、院内にある掲示板にメッセージを毎日書く役割を持って頂くことで、失語症の改善と趣味活動の再獲得を図った。

5.入院6週目
退院後の生活に自信を持っていただけるように趣味の文房具を買いに試験外出を、自宅に外泊を行った。自主的にリハビリを行うようになり食事も制限なく摂取できるようになった。

6.入院9週目
失語症は大きく改善し長い文や複雑な文も理解可能となった。また、言葉も出やすくなり冗談を言うようになった。自分の心情や病状について説明できるようになりリハビリの目標は達成し自宅退院となった。


退院時

日常機能評価 0点 FIM 121点(認知機能33/35点)HDS-R 26/30点
コース立方体 IQ114 FAB 16/18点 レーブン色彩マトリックス 36/36点

















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